【2025年最新】東京国立博物館「蔦屋重三郎展」完全レビュー – 浮世絵出版の革命者&VR体験で江戸時代を旅しよう!

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【2025年最新】東京国立博物館「蔦屋重三郎展」完全レビュー – 浮世絵出版の革命者&VR体験で江戸時代を旅しよう!

東京国立博物館(上野)で開催中の「蔦屋重三郎展」に行ってきました。江戸時代の出版文化を革新し、葛飾北斎や喜多川歌麿といった浮世絵師たちを世に送り出した出版者・蔦屋重三郎の魅力にせまる展覧会です。さらに今回は特別に用意された1階のVR体験コーナーも体験してきましたので、展示の見どころからVR体験、訪問のコツまで詳しくレポートします!

実際にこの記事では、「蔦屋重三郎展」の魅力を余すところなくお伝えします。具体的には以下の内容をカバーしています:

  1. 1階VR体験のリアルなレポート:江戸時代の吉原を仮想体験できる特別企画の内容と感想をお届けします。
  2. 展示の見どころとハイライト:重要作品の解説や、知っておくと展示がより楽しめる背景知識をご紹介します。
  3. 訪問計画に役立つ情報:混雑状況や周辺施設情報、おすすめの回り方など、実際に訪れる際に役立つ情報をまとめました。

なお「蔦屋重三郎展」は、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」と連動した展示会となっています。
べらぼう大河ドラマ館や吉原散策にご興味がある方は、ぜひ下記の関連記事をお読みください!

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それでは、江戸時代の出版文化を革新した蔦屋重三郎の世界へ、一緒に飛び込んでみましょう!

1.蔦屋重三郎って歴史的にどんな功績を残したの?

蔦屋重三郎(1750-1797)は、江戸時代後期に活躍した版元(出版者)です。

彼の最大の功績は、葛飾北斎や喜多川歌麿、東洲斎写楽といった当時無名だった浮世絵師たちを見出し、彼らの才能を世に広めたことにあります。特に美人画で知られる歌麿や、謎に包まれた写楽の作品は、蔦重の審美眼と革新的な出版戦略なしには生まれなかったとも言われています。

蔦重は単なる出版者ではなく、編集者、プロデューサー、マーケターとしての才能も兼ね備えた、まさに江戸時代の「クリエイティブディレクター」とも呼べる存在でした。彼が手がけた美しい多色摺りの浮世絵版画や洒落本(風刺小説)は、当時の江戸文化を彩り、今もなお世界中の美術愛好家を魅了し続けています。

 

2.「蔦屋重三郎展」展示会の基本情報

  • 展覧会名: 「蔦屋重三郎展 – コンテンツビジネスの風雲児」
  • 会期: 2025年4月22日(火)~6月15日(日)
  • 会場: 東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
  • 開館時間: 9:30~17:00(金・土曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
  • 休館日: 月曜日
  • 観覧料/チケット代(税込み):
    • 一般: 2,100円
    • 大学生: 1,300円
    • 高校生: 900円
    • 中学生以下: 無料
    • ※特別展・総合文化展共通観覧券

「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」 の来館記念証を東京国立博物館正門チケット売場で提示すると、本展の当日券が100円引きとなります。

東京国立博物館では、いろいろな展示が開催されているけれど、このチケットで他の展示会を鑑賞することもできるのかな?

できます!

この展示会のチケットで、当日に限り同時期開催の「浮世絵現代」(表慶館)(~6/15日まで)と東博コレクション展(平常展)も鑑賞できるのよ。
展示内容もだけれど、表慶館と本館の建物自体もとても重厚で建築物として魅力があるから、ぜひ訪れてみてね!

ちなみに、蔦屋重三郎展は巡回展じゃなくて、東京国立博物館平成館での単独展だから、6月15日までに絶対に見逃さないように行ってみてね!

そうなんですね!貴重な機会なんだぁ…。見逃せませんね!

3.1階のVR体験「VRで超体験!大江戸の世界」詳細レポート

特別企画として、1階ロビーにて「VRで超体験!大江戸の世界」というVR体験コーナーが設置されています
(所要時間約3分)。


筆者の人生でのVR体験は2度目です。1度目は雪山でスノーボードをしているVR体験でした。雪山は立った状態での体験でしたが、今回はテーブルに向かって座っての体験でした。


以下の2種類のVR体験が用意されていて、1つを選択することになります。

・日本橋編
・吉原編

筆者は、吉原編を体験してみました。

まず驚いたのは、前方だけではなく後ろを向いた時にもその世界観に没入できる点です。座った状態での体験のため、後ろを見ると姿勢的にはちょっと辛かったです。しかし、360度体験できるとのことだったので、どのように見えるか後ろへ振り向いてみました。本当に360度吉原の世界でした! VRに慣れていない方は、あまりキョロキョロしすぎると気持ち悪くなるかもしれませんので、要注意です。

吉原編は、まず大門を越えた仲之町通りに降り立ちます。仲之町通りの真ん中には季節限定の桜が植えられていて、春の美しい夜でした。通りの人混みを抜けて、花魁のお部屋に立ち寄る内容になっていました。花魁の部屋では、花魁が座った状態で本を読んでいたと思います(記憶が定かではありません)。なお、華やかな部分だけではなく、河岸見世という最下級の遊女屋のエリアにも立ち入ります。店先にうなだれている遊女にじっと見つめられ目を逸らせなかったです。彼女からとてつもない悲壮感が漂ってきて、とても切ない気持ちになりました…。
この没入体験はなかなかできないと思いますので、蔦屋重三郎展に訪れた際には、ぜひ体験していただくことをおすすめいたします。

4.展示のみどころとハイライト

第一章 吉原細見・洒落本・黄表紙の革新
第二章 狂歌隆盛―蔦唐丸、文化人たちとの交流
第三章 浮世絵師発掘―歌麿、写楽、栄松斎長喜
附章 天明寛政、江戸の街

展示は、第一会場、第二会場とに別れています。
第一会場:第一章、第二章、第三章の半分
第二会場:第三章の半分と附章

東京国立博物館平成館

第一会場:第一章、第二章、第三章の半分

第一会場の入り口には、吉原の大門を模した大きな門があります。
そこをくぐって中に入ると、右手と左手に作品たち、そして真ん中のスペースには吉原に春に植えられる期間限定の桜並木が飾られていました。吉原の雰囲気を醸しだしています。

写真撮影がNGだったためイメージ的にお伝えすると、こんな感じの桜並木です。


展示されている作品数は、計258点にものぼります。吉原細見、黄表紙、洒落本、狂歌本なども含む貴重な作品の数々。そのうち、平賀源内作のエレキテル(江戸時代・18世紀)をはじめ、東洲斎写楽の作品を中心に重要文化財の展示が27点重要美術品は13点展示されています。
展示品とその解説、そして展示ゾーンの流れから、当時の背景や蔦重の人生をイメージすることができ、彼が江戸のメディア王と呼ばれる所以がわかりました。
どの作品も見応えがあり一見の価値ありです。これらの作品は写真撮影不可のためお見せできず残念ですが、ぜひ実際に訪れて感動を体感してみてください!

個人的には、多くの作品に描かれていた女性の着物の模様に目を奪われました。細部にわたり非常に凝っていて美しく刷られているのです! また、髪の生え際の線の細やかさを版木で描写できる技術に、日本人の手先の器用さを思い知らされました。

浮世絵、錦絵好きの方は、絶対に訪れるべき展示会だと思います!

第二会場:第三章の半分と附章

第二会場に入ると、まず東洲斎写楽、喜多川歌麿の拡大板浮世絵が壁に展示されています。また横浜流星さんファンには嬉しい蔦重(流星さん)のパネルも展示されています。こちらは撮影OKでしたので、ここに写真をアップします。

 


また、続いての附章エリアでは吉原の町並みが再現されており、NHKドラマ「べらぼう」の世界を体験することができます。長屋のセットごとに展示物や動画が流れていたりします。実際に浮世絵、錦絵はどのように刷られていたのかを知ることもできます。耕書堂を模した建物もありましたので、当時の雰囲気を味わうことができました。

このエリアも撮影が可能でした。

 

4.訪問を最大限に楽しむヒント

所要時間は?

混雑状況にもよりますが、作品をじっくり鑑賞したい場合、2〜3時間はかかります。さらっと鑑賞する場合でも、最低1時間は必要です。

混雑を避ける理想的なタイミング(混雑状況)

じっくり鑑賞したい場合、可能な限り平日午前中に訪れるのがベストだと思います。

過去にも別の展示会で何度か東京国立博物館へ週末に訪問したことがあります。いつも人がごった返しており、ゆっくり展示作品を見ることが非常に困難でした。週末の混雑状況は想像以上に酷だと思います。
今回、筆者は開幕日の次の日(4/23、水)の大雨の日、10時頃に訪れました。大雨で空いているかと思いきや、比較的混んでいました。第一章の部分では作品を順番に鑑賞するための列ができており、一歩ずつ進んで鑑賞していく流れに乗っていました(笑)。

効率的な鑑賞ルート

開館直後(9:30)に訪れた場合で、1階のVR体験をしたい方は、まずVR体験をしてから展示会場に行きましょう! 展示を先に鑑賞してお昼頃にVR体験をする場合には、行列ができている可能性があります。
※筆者が訪れた際には、午後には行列ができておりました。

第一会場の第一章、第二章は特に人が集中するエリアだと思います。並んでいる順番に作品を鑑賞しなくても良い場合には、混み合っているところを避けて順不動で鑑賞するのも手です。(しかし、やはり順番に見ていくと時代背景の流れが頭に入り理解しやすいですね!)。

特設ミュージアムショップについて

特設ミュージアムショップは、第一会場から第二会場に移動する間にあります。途中で立ち寄りたくなると思いますが、混雑が気になる場合には、附章まで鑑賞してから最後に行くのがおススメです。
筆者がゲットしたグッズは、こちらのポストカード。電子決済が可能でした。

5.まとめ

上野の東京国立博物館、平成館で開催されている「蔦屋重三郎展」は、

  • 浮世絵、錦絵好きは絶体に訪れるべき貴重な展示会!
  • 作品数は計258点。重要文化財の展示が27点重要美術品は13点展示されている!
  • 蔦屋重三郎の人生と彼が手版元として手掛けた作品、絵師たちを世に送り出したプロデュース力について知れる!
  • 江戸時代、江戸文化を通してその時代の流行、風習を垣間見れる圧倒的な展示会!
  • 1階のVRは蔦重の時代の日本橋、または吉原に没入できるのでぜひ体験すべし!
  • 可能な限り平日午前中に訪れることをオススメ!

巡回展ではなく東京国立博物館でのみの開催です。
この機会を逃さずに作品の鑑賞をぜひ楽しんで来てくださいね!

小さい頃から知らない道や街を歩くことが好きで、親に内緒でこっそり遠くまで行ってしまったことも! 散歩や旅行、美術館・博物館が大好きで海外旅行で訪れた国は17か国。携帯電話・スマホが無い時代に、ヨーロッパをバックパッカーとして周った経験あり。

現在は、年間30回ほど散歩のオフ会を開催したり、ひとりでも日常的に癒しのさんぽを行っている。散歩や街散策を通して新しい発見をすると、あたりまえだと思っていた風景が、魅力的な「非日常」になる。その瞬間が大好き♡。

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